【新車試乗】 スズキ 新型スイフトRSt 試乗 4代目スイフトの出来栄えはいかに?

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スズキ 新型スイフトRSt 徹底試乗

2017年の年明けに発売されたばかりの4代目新型スイフトに速攻試乗してきました。
スイフトは2代目は新車で購入して乗り倒しましたし、3代目も何度か試乗しているので個人的には非常に思い入れの深い車種です。

2代目から3代目にフルモデルチェンジした時は凄まじい進化に驚愕しましたので、期待でワクワクしながら試乗に出かけました。

今回のフルモデルチェンジにあたってはプラットフォームが完全に刷新されて、先代比120Kgもの大幅な軽量化がなされています。
さらに今回試乗したRStというグレードは3気筒エンジン搭載でバランサーシャフトも搭載していませんので、
「こんなに軽量化しちゃって剛性は大丈夫?」
とか、
「3気筒エンジンって質感低いんじゃないの?」などと不安も抱きつつ試乗開始です。

外観デザイン

評価:★★★★

実車を見るまでは、シトロエン、アルファロメオ、アウディにインスパイアされたようなデザインアイコンが何箇所か見受けられて、ごちゃごちゃしてまとまりが無く、先代よりも劣化したデザインと思っていたのですが、実車を目の当たりにして印象が180度変わりました。

フロントフェンダーの盛り上がりは、短縮されたエンジンルームが貧相に見えないようにするためのものですし、リアフェンダーも盛り上がりを作ることで全体の整合性が取れています。

リアのドアノブの処理はルーツはアルファ147あたりだったかと思いますが、(ルーツはRX-7だったかな?)もはやピラーにドアノブを隠すのは普遍的なデザインとなっていますので…

フロントグリルは現行デミオに似ていると話題ですが、あの「フグ提灯」のようなデザインに比べると、スイフトのほうがよほどカッコイイと思います。
6角形グリルも、もはや普遍的なデザインと言ってもいいでしょう。
ヘッドライトの淵をブラックアウトしたのも、引き締まってスポーティーに感じられますのでデザイン的には成功でしょう。

先代と比較して、細かいディテールなどは激変しているのですが、全体を見渡すとしっかりとスイフトらしさが感じられます。

優れたデザインのクルマは、初見では違和感を感じたり「カッコワルイ」と感じるものですが、じわじわとカッコよく感じていくものかと思います。
同じスズキのバレーノがいい例かと。

個人的には満点のデザインなのですが、Cピラーのグラフィックがどうしてもシトロエンとそっくりに感じられますので星4つとさせていただきます。

あれれっ、斜め前から見ると非常にカッコイイじゃないですか!

塊感もあって、力強さと流麗さが感じられます。
メタリックブルーが非常に似合いますねぇ。まるでラリーカーのようです。

うーん、いいですねぇ。最近のスズキのデザイン力はかなりのものです。

皆さんもぜひ実車を見てみてください。

サイドビューも先代、先々代のようなずんぐりとした鈍重な感じが無くなって、スマートに感じられます。

リアビューはスイフトらしさを残しながら、立体的な彫りの深いデザインです。

これはカッコイイです!スポーティーなデザインですねぇ。

内装

評価:★★★★

この価格帯ですから、もちろんソフトパッドなどは使われていませんが、同クラスでは質感が高いほうではないでしょうか。
各部スイッチ類のクリック感も高級感が感じられるタッチでした。

メーターパネルも非常に見やすく、センターディスプレイも便利です。
Dレンジ走行中に、いまギアが何速に入っているのか表示されないのが唯一不満に感じられました。
インフォメーションディスプレイなどのセンター周りも若干運転席側に向いていて非常に使いやすいです。

内装の見栄え、触れた感触は「いいもの感」が感じられます。
僕が以前所有していた2代目スイフトとは雲泥の差ですね。

非常にスポーティーなインパネ、メーター周りです。

なかなか高級感があります。

フロントシートはRS専用でしょうが、サイドサポートがしっかりしていて、
コーナーでもしっかりとホールドしてくれます。
それでいて掛け心地はふんわりと優しい感じもあります。

居住性、ユーティリティー

評価:★★★

先代、先々代と比較すると、後席足元の空間、トランクスペースともに実用的なものとなりました。
これならば、大人4人乗車で旅行なども苦にならないでしょう。

身長175cmの僕がフロントシートの調整をした状態で、リアシートはこれだけの余裕があります。
先代、先々代よりもかなりの余裕が感じられます。

トランクスペースもかなり拡大しました。
今まで居住性の悪さ、トランクの狭さでスイフトの購入を躊躇されていた方も、これならなんとか購入対象に出来るのではないでしょうか。

走りの評価 (エンジンとミッション)

評価:★★★★

今回は走行中の動画は撮影できなかったのですが、こちらの動画で3気筒直噴ターボエンジンのフィーリングを感じていただけたらと思います。

僕のYouTubeチャンネル も、閲覧&チャンネル登録して頂けましたら幸いです。

今回試乗したRStというグレードは1リッター3気筒直噴ターボエンジン搭載で、最高出力102馬力、最大トルク15.3kgmと、1.5リッターエンジン並みの出力を誇ります。
バレーノから搭載が始まったこのエンジンは、あちらはハイオク仕様でしたがスイフトはしっかりレギュラーガソリン仕様となっています。

試乗前に懸念していた3気筒エンジンゆえの振動の大きさ、ラフな回転フィールというものは全く感じられませんでした。
知らされずに乗ったら4気筒と区別がつかないほどの出来栄えです。
高回転まで回してもガサツな感じは一切ありません。音質もスポーティと言えるものです。
さすがに最高の4気筒の澄み切った快音、滑らかな回転フィールにはかないませんが、これはこれで3気筒エンジンとしてはかなりの完成度です。某T社の大衆車クラスのガサツな4気筒エンジンよりも間違いなく質感は上回っています。

ただ、ダウンサイジングターボエンジンならではの弊害もありまして、動画を見ていただけたらお分かりかと思いますが、回転上昇、回転落ちがかなり緩やかで、はっきりと申し上げるとエンジンレスポンスは悪いです。
1リッターという小排気量で、極低回転域のトルクを確保するためにフライホイールの重量が重くなっているのでしょう。
電子制御スロットルの特性というより、重たいものを頑張って回しているようなフィーリングがあります。

まあ、最近のエコカーはどのメーカーももっさりとしたエンジンレスポンスですので、大差ないとも言えますが、試乗前には小排気量エンジンならではの「シュンシュン」とレスポンス良く回るエンジンを期待していただけに残念です。
オートマとの組み合わせでは、実際の走行でレスポンスの悪さが問題になることはあまりありませんが、もしマニュアルミッションも販売するのであれば、この辺りは仕様変更が必要ですね。

加速感は1.5リッター自然吸気エンジン搭載車よりも上で、1.8リッターより下といったところでしょうか。
バイパスでシフトダウンして5千回転あたりまで回すとパンチはあります。

ミッションはトルコンの6速で、変速ショックが少なくダイレクト感もあって非常に出来のいいものです。
CVTに慣れ切った方にはもどかしく感じられるでしょうが、やはりステップ式のミッションを変速してエンジンのオイシイ回転域を使っての運転は楽しいですねぇ。

過不足のない加速フィールですが、このクルマにスポーツカー的な速さは有りません。
あくまでちょっと余裕のある実用車とお考え下さい。

総括すると、燃費と運転の楽しさが高い次元でバランスした、非常に出来のいい動力系だと思います。

走りの評価 (足まわりとボディ)

評価:★★★★★

大幅に軽量化した新型プラットフォームによる剛性不足を心配されている方もおられるかと思いますが、結論を申しますと、

全く心配ありません!

それどころか、新型スイフトと比較すると先代は若干ペナッとした感じがあったような気がします。
非常に剛性感、重厚感が感じられるボディのおかげでサスペンションが先代よりもスムースに動いている感触が感じられました。

バイパスでの高い速度レンジの直進安定性も素晴らしいですし、バイパス出口の下りタイトコーナーにかなりの速度で侵入したのですが、全く接地変化もアンダーステアも感じられずに、綺麗に4輪が接地してニュートラルステアでクリアしました。

このようなコーナリングが出来るクルマはそうそうありません。
並みのクルマだとだらしなくアンダーステアになるか、ある時点で急激にオーバーステアになるかです。
大げさですが、これは徹底的にボディ補強を施したチューニングカーのフィーリングです。
相当走り込んで仕上げた痕跡が感じられます。

それでいて、乗り心地も快適です。
基本的にはドイツ車的な「ゴツゴツ」系の乗り心地なのですが、しなやかで全く不快感がありません。
また、先代スイフトもそうだったのですが、リアサスのトーションビームの出来が素晴らしくいいです。出来のいい4独サスのようなフィーリングで、トーションビームの悪癖が全くと言っていいほど感じられませんでした。

もはやスズキはトーションビームマイスターと言っても過言ではありません。
素晴らしいボディ、足回りのおかげで人車一体感がかなり感じられます。
ロードインフォメーションも適切にあります。

これは抜群にいいクルマです。
自信を持ってオススメ出来ます。

総合評価

評価:★★★★

新型プラットフォームが出来て間もない時点で、この完成度は素晴らしいです!
ただ、試乗前に期待していたスポーツカー的な走りではなく、スポーティーな実用車だったため星4つとさせていただきます。

今回試乗したRStは、違いの分かる方には非常に愛着の持てる1台となる事間違いなしです。
スイフトの名に恥じない素晴らしいクルマでした。

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この記事を書いた人

釣り、クルマ、猫 が大好きなオッサンです。
皆様のお役に立つ情報をお届けしてまいります。
お気軽にコメントくださいね。

コメント

コメント一覧 (8件)

  • スズキ車は「安くて、ボロい」のイメージがありましたが(笑)スイフトが出たあたりから、品質が向上してきました。この頃からスズキは軽自動車より小型車に力を入れていき、ダイハツから軽自動車販売の首位を奪われました。軽自動車以外のスズキ車を運転するのは、イグニスが初めてで1200ccとは思えないほど良く走り、完成度の高い車です。それ以来スズキ車のファンになってしまいました。昔からクルマは好きでしたが、バイクに乗り出してから、一時期クルマに興味が無くなった時期がありましたが、イグニスに乗って再びクルマに火が点きました。そういえばイグニス(IGNIS)は点火するという意味のイグニッション(IGNITION)から取った造語と聞いています。その名の通り、火が点いたのかもしれません(笑)スイフトはまだ運転した事はありませんので是非運転してみたいですね。

    • 現行スイフトも素晴らしいクルマですよー。
      是非試乗してみて下さい。

      試乗記事を書かせていただいたRStは、僕が欲しいクルマの筆頭です。
      RSの5MTも気になりますが、試乗車が無いんですよねー。

  • 少し前の記事に、すみません。

    現行スイフト、良くなっているのですね。僕が運転したことがあるのは、一つ前の型の割と安価なグレード。当時、レンタカーであてがわれました。飛ばしすぎたのかもしれませんが、北海道の山の中、うねりのある道では接地感とかが少し怖かった記憶があります。

    一方で、ウチのカミさんの車(僕もよく運転しています)は、2代目スイフトがベースのスプラッシュ。日本ではまるでウケなかった車です。エアコンのノブの質感等が質素の極みですしサスからのボコボコ音やら何やら騒々しい車ですが、足回りの感触が少し前の欧州小型車みたいなところ(ゴツゴツ系ですが)が気に入ったのと、諸費用やナビ込みで150万円というお手軽さに惹かれて、国内販売が終わる少し前に買って今も維持しています。非力なのですが騒音にさえ耐えれば、上道では結構な速度で走ることもできます。

    また面白い記事を、期待いたしております。お邪魔いたしました。

    • すずめのすさん、コメント頂いてありがとうございます。
      ご返信が遅くなりまして、申し訳ありません。
      何かと多忙な日々が続いておりまして(^^ゞ

      そうですね。
      先代スイフトよりも現行のほうが、全てにおいて着実に良くなっていると思います。
      特に動力性能は、同じ1.2リッターエンジンでも体感的には雲泥の差です。
      車体軽量化が効いてるんだと思います。

      スプラッシュとは、これまた通好みのクルマを選ばれましたね。
      当時の他社のコンパクトカーと比較すると、走りの剛性感が際立って優れていたと思います。
      仰る通りに、もう一息の動力性能があればと思わされるクルマでしたね。
      同じパワートレーンでも、現行スイフトやバレーノは「速い」と言っても差し支えないほどの動力性能になっています。
      やはり、車体重量って侮れませんね。

  • お忙しいところ、返信を頂き有り難うございます。

    スプラッシュもC-HR同様に全く予備知識の無い状態で偶然にレンタカーであてがわれて、気に入ったので購入したクルマです。当時のオペルとの関係で、あのような味になったらしいですね。代替えはまだ先ですが、もしそうなった折には、スイフト等も試乗してみます。

    • ご返信ありがとうございます(^^)/

      そうだったんですね。
      スプラッシュは当時としては、かなり骨太な欧州車的な乗り味だったと思いますので、他社のコンパクトカーとは一線を画したフィーリングだったと思います。
      すずめのすさんのような方が大勢いらっしゃったら、スプラッシュももっと売れていたことでしょうねぇ…

  • おいそがしいところ、すみません。

    スプラッシュ、欧州車を知るユーザー(のセカンドカーなど)にはとても良かったと思うのですが、一般ウケはしにくいクルマだったかもしれません。日本で売るには、質素に過ぎました。(OEタイヤがエコタイヤなんかではなくてコンチのコンタクトといったところに、価値を見いだす方は少なかったことでしょう。)

    レンタカーを借りる際にスイフトを選び、乗ってみました。

    旧型の記憶が定かではないですし、ワインディングを走らせる機会はなかったのですが、パワートレインや足まわりはまずまず、内装も輝くメッキが減って、よくなっていました。

    後部ハッチを開ける際に手をかける部分が自車のまきあげた泥水で汚れ、手が汚れるのと、エアコンの操作性は少し残念でした。あと、高速道路の継ぎ目を越える際の衝撃がいなしきれていないのも、少々残念かもしれません。(後者についてはコストの制約から、仕方ないのかもしれませんけれども。)

    お邪魔いたしました。

    • そうでしたね。
      コンチネンタルタイヤってところがまた…
      知る人ぞ知るマニアックさでしたね。

      現行スイフトは素晴らしい出来だと思うのですが、シチュエーションによってはその軽量さゆえ重厚感に欠ける場面があるかもしれません。
      国産Bセグメントの中では最高にお買い得なクルマだと思うのですが、シビックやインプレッサ等の出来のいいCセグメントと比べると、さすがに分が悪いですね。

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