釣り業界が直面している現状について思うこと
今年2022年の1月から神戸港沖堤防への渡船が一斉休業となったことは、兵庫県のショアジギファンの方は殆どの方がご存知でしょう。
理由は色々と囁かれていますが、真っ先に挙げられるのは釣り人のマナーの悪さです。
僕もほとほと呆れ返ってしまって、最近はショアの釣りからは遠ざかってしまっています。
とにかく、どこに行ってもゴミのポイ捨ての多いこと!
ルアーや仕掛けのパッケージのみならず、異臭漂う撒き餌用のアミエビの袋、コンビニで買った食料のゴミ、煙草の吸殻などが無造作に捨てられています。
もうね、怒りを通り越して呆れや諦めの気分ですよ。
なんであんなにポイポイとゴミを捨てられるんでしょう?
ゴミをポイ捨てする輩は、自分の家の中とか敷地内にゴミをポイ捨てしますか?
しないでしょうね。
結局は自分さえよかったらいい。
誰かが拾ってくれるだろう。
いい歳こいた大人がすることじゃありません。
いろんなポイントをショアジギングで訪れるたび、散乱するゴミを目にして非常に不愉快な気分になってしまい、せめて自分の身の回りのゴミは持ち帰ろうと拾って帰っても、次に訪れたときには再び散乱しているゴミ。
そりゃあ釣り禁止にもなりますって。
これは一部のマナーの悪い釣り人の問題だけではなく、釣り人全体のモラルが問われている事態と言っていいでしょう。
今までに神戸港周辺では兵庫突堤やポーアイ北公園、灘浜が釣り禁止になっていますが、沖堤防も全面的に釣り禁止になって、次は神戸空港ベランダでしょうか?
ここもポイ捨てされたゴミだらけですね。
神戸港一帯が全面釣り禁止になる日も遠くなさそうです。
で、あぶれた釣り人はどこに流れていくんでしょうか?
武庫川一文字?垂水一文字?アジュール舞子?
んで、また人が殺到してゴミだらけになってそこも釣り禁止になると…
漁港の堤防であるとかコンクリート護岸というものは、基本的には全て釣り禁止です。
ただ黙認されているというだけのことですので、このままマナーの悪い釣り人に荒らされていくと、兵庫県では釣り公園と砂浜からしか釣りができなくなってしまいます。
釣り船も例外じゃないですよ。
釣れているのを見て危険なほどに急接近してくる船。
「全部食べきれるの?」というほどの大量の釣果を、自慢気にSNSにアップしている釣り人や遊漁船。
漁業関係者からの苦情で、いずれ船釣りもライセンス制になったり漁獲量制限が設けられるかもしれません。
ちなみに僕は、得意げに使われている「ツ抜け」という言葉が大嫌いです。
そんなに釣ってどうするんですか?
明石~播磨灘周辺のタコ釣りなんか、一時は酷いもんでした。
釣れるだけ根こそぎ釣ってしまえってな感じで、乱獲と言っていい野放図でした。
後々の楽しみのためにも、最低限の持ち帰りにしませんか?
かくいう僕も、以前は釣れたら釣れただけ持って帰っていましたが、いまはリリースしても大丈夫そうな個体は出来るだけリリースするようにしています。
釣りの漁獲量も、マクロで見ると決して少なくない規模です。
長々と書き連ねてしまいましたが、それでも堤防で潮風を浴びながらのんびり釣りをするのって素晴らしいことだと思います。
平然とゴミのポイ捨てをしているのも、一部のマナーの悪い釣り人だけでしょう。
できればこれ以上、ガチの釣り禁止のエリアが増えてほしくないと願っています。
そのためには陸からの釣りを欧米のようにライセンス性にするか、もしくは民間企業や特定の釣り人に迷惑行為に対して罰金徴収ができる権限を与えて、ポイ捨てをさせない体制を作らなくてはならないでしょう。
このままでは釣りをする行為そのものが悪とみなされ、釣り文化が衰退していくことは明らかです。
今こそ釣り具メーカーや釣具店、メディアの方々が集って協議をし、具体的な対策を考える必要があります。
行政に対して、条例制定等の陳情が出来るだけの組織力が必要です
どなたかが音頭を取って、協議会を立ち上げて頂けないものでしょうか。
釣り禁止問題だけではなく、最近目立って魚が釣れなくなってきてませんか?
ほんの4、5年前までは海を覗けばベイトのイワシが湧いていて、それに付いた青物やタチウオやイカがよく釣れたもんですが、最近の神戸~明石~姫路エリアは、ショアからは青物以外はほぼほぼ釣れなくなってきているように感じます。
いったい原因は何でしょう?
イワシやイカナゴ等のベイトの減少が大きな要因であることは確かですが、綺麗になりすぎたことによる海の貧栄養化?
温暖化による海水温の上昇?
それらも要因としてあるでしょうが、大きな原因は獲りすぎ釣りすぎかもしれません。
近年の沿岸漁業の漁獲高推移を見ると、右肩下がりになってきています。
イワシの漁獲量減少との相関も感じられます。
このままで何も対策を講じないでいると、やがて日本の漁業や海釣り業界は衰退の一途をたどってしまうことでしょう。
日本も欧州のような厳格な資源管理や、アメリカ、カナダのように釣り人の漁獲量の制限、ライセンス料の徴収を本格的に検討すべき時期が来ていると思います。
人が少ない穴場ポイント 加古川導流堤のご紹介
前置きが長くなってしまいました。
さしたる見識のない僕が個人的な主観を偉そうに書き連ねるだけの文章で、ご不快になられた方もいらっしゃると思います。
失礼いたしました。
ここからは、マナーとモラルを持ち合わせた大多数の釣り人のみ御覧ください。
今回ご紹介するポイントは、兵庫県加古川市の加古川河口部に存在する全長2kmにも及ぶ導流堤です。
こちらに向かう方は、皆さん松風公園の駐車場を使用してるみたいですね。
松風公園から向かいの川を渡り、加古川の土手沿いを海に向かって行くとそのまま導流堤になります。
先端部までは徒歩で約40分。
重たい荷物を担いで行くのは無理がありますので、先端部まで行かれる方は軽装にしたほうがいいです。
松風公園~導流堤本体
細い川を渡って加古川の東岸の土手に出たところです。
先端部は遥か彼方。
遠く霞んで見えます。
土手をそのまま歩いていくと…
見えました!加古川導流堤の入口部分。
テトラと堤防の間には、人がすれ違うのがやっとの幅ですが平らな部分があります。
こちらをチャリで先端まで向かう方もおられますが、向かいからチャリが来たらすれ違いは困難です。
歩いていくと現れるのは、堤防本体との接続部。
こちらは大潮の満潮時などは水没するようですのでご注意ください。
神戸製鋼側の水は、淀んで汚い感じです。
外側はこんなにキレイなんですけどね。
導流堤根本~先端部
右手奥の根元の部分から延々と歩いてくると、加古川に向かって外側の足場が広くなります。
導流堤でシーバスやヒラメ、マゴチを狙うのであれば、この辺からがポイントになります。
足場はこんな感じで広々として釣りがしやすそうです。
左側が神戸製鋼、右側が加古川河口になります。
この辺ではシーバスはもとより、過去の釣果情報ではヒラメやマゴチの実績があります。
爆釣というほどではないでしょうが、加古川河口はハゼが多く生息していますので、マズメ時にワームで底をネチネチと攻めてみたら面白そうですね。
地元の釣具屋の店員さんに聞いた情報ですが、晩秋になると、ほんの一瞬でしょうがこちらでブリクラスの青物が爆釣になることもあるそうです。
「えっ?!河口でブリなんか釣れるの?」
と思われる方もおられるでしょうが、紀の川河口などは真冬でもブリが釣れることで有名です。
真冬は左の神戸製鋼側にイワシやアジが大量に入り込んでくることがありますので、もしかしたらブリが釣れるのは神戸製鋼側かもしれません。
シーバスや、ヒラメ、マゴチ等のフラットフィッシュを狙うなら、僕的にはこちらの竿がオススメです。
リールは青物にも流用できる早巻き対応のストラディックがオススメ!コスパ最高です。
さらに先端の方に進んでいくと、途中から危険なテトラゾーンに。
このテトラから先は、かなり危険でおすすめできません。
正面に見える白灯台は加古川一文字。
導流堤最先端部からは離れていて、渡船でないと渡れません。
加古川一文字への渡船は大濵渡船です。
営業日等の詳しい情報はHPを御覧ください。
ちなみに導流堤先端と一文字との間の水道は、ヒラメの絶好のポイントだそうです。
といって、導流堤先端まで突撃するのはやめましょう。
非常に危険です!
テトラ部から先は異様に通路幅が狭くなり、この梯子で上に上がれはしますが…
御覧ください、この狭い通路幅!
おまけに海面までの高さがかなりあって、海に落ちてしまったら自力で這い上がることは不可能です。
右側からはテトラが張り出してますので、何かの拍子にテトラに接触してはずみで海にドボン。
なんてことになりかねません。
命が惜しかったら行かないほうがいいです。
絶対に行かないでください!
水道部でヒラメちゃんを狙いたい方は、素直に大濵渡船を利用して一文字に渡りましょう。
君子危うきに近寄らずです。
最後に一言
ポイントが次々とガチの釣り禁止になっていく状況で、果たして釣り場の解説記事を載せるべきかどうか葛藤しましたが、良い釣り場がなくて困っておられる善良なアングラーのために記事を掲載させていただきました。
記事を見てこちらを訪れる方は、絶対にゴミのポイ捨てはしないでください!
そして、危険な先端部には絶対に立ち入らないようにしてください!
転落して死亡事故になったり、命が助かったとしても消防や海上保安庁の出動ともなると、その1件をもってガチの釣り禁止となる可能性が高いです。
残された数少ない釣り場を大切にするために、ぜひとも節度のある行動をお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (4件)
こんにちは!
現在高校3年の地元ルアーマンです。
とても良い記事だったのでついコメントしてしまいました。6ヶ月も前の記事に書き込んでしまってすみません。
この記事の最初に書かれてらっしゃる釣り人のポイ捨てやマナー、モラルについての記載にとても共感しました。
私が活動を始めた2015年頃は人も少なく、
本当に好きで知ってる人だけが知ってる趣味というイメージだったんですけど、今はとてもメジャーな趣味になった気がします。
その頃もポイ捨てや釣り場でのトラブル等はちょいちょい見てきましたが、最近は本当にヒドいですよね(泣)
好きだった場所が釣り禁止になったり、
漁師さんからの視線が痛かったりでめちゃくちゃ心が痛いです…..
捨てられているゴミを見て、ため息が止まりません
二見から赤穂までの区画は本当に沢山の思い出ばかりなので、この先どうなるかとても不安です。。。
私の父も筆者さんと同じく、昔から兵庫の瀬戸内海で釣りをしてきた人間なのですが、
今と昔では随分環境が違うようですね。
この加古川導流堤やそれより西以降は青物の回遊は現在ほど頻繁に無かったそうです。
あと筆者さんと同じく、イワシの量、ベイトの量が全体的に減ってると言ってました!
私自身もたった7年ですが、父と播磨灘で釣りをしてきて、毎年変化してきているな〜というのは感じます。今年はカンパチの子やシイラが釣れていると聞いて、めちゃくちゃビックリしてますw去年もちょいちょい釣れているという話は聞いてましたが今年は去年より少し数が多いようです。。。
長文乱文失礼しました。また、
僕の話ばっかり書き込んじゃってすみません。
本当に思う事が沢山あってですね
ブログを見てコメントを書き込みたいと思ったのは今日が初めてです。
素晴らしい記事をありがとうございました!!
18歳さん、はじめまして。
このような寂れたブログにご訪問いただき、コメントまで頂いて感謝感激で咽び泣いております(笑)
僕も本格的に海でのルアーフィッシングを始めたのは2015年位からです。
まだその頃はおおらかでしたが、最近の殺伐とした釣り業界の現状には辟易としてしまって、しばらく釣りからは遠ざかってしまっています。
本格的に釣りを始めた頃は、秋になれば播磨新島の赤灯台でも海面を覗けば無数のマイワシが回遊していましたし、それを狙うサワラやサゴシ、タチウオなども今とは比べ物にならないほど釣れました。
今は秋のハイシーズンでもまばらな小アジやスズメダイが見られるのみで、特にタチウオやアオリイカなどは全くと言っていいほど釣れなくなってますね。
知り合いの釣り船の船長さんによると、今年はカンパチが当たり年だそうです。
温暖化に伴う海水温の上昇で、海の状況も尋常じゃないスピードで変化していっているようです。
このままだと地球上の環境が人類の居住に適さない状態になるのは明らかで、今まで文明の恩恵を享受してCO2を撒き散らしてきたアラフィフの僕は、18歳さんのような次代を担う聡明な若者に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
全ては「自分さえ良ければ」というエゴの結果だと思います。
「人よりいい車に乗りたい」「人より豪華な暮らしがしたい」そういった虚栄心、自己顕示欲などの愚かしい性が現状を招いていることに皆が気付かないと。
釣り場のゴミ問題を見てもそうですが「自分さえ良ければいい」「他人のゴミを持ち帰って何の得になるのか」と、物事を損得勘定でしか捉えない人間が増えてしまっている結果です。
実は今、とある釣船の船長さんと一緒に釣り業界を巻き込んで、釣り人のマナー向上を目的としたイベントを実施していこうと動いてるのですが、僕自身いささか消極的でした。
『ゴミをポイ捨てするような輩の意識を簡単に変えられるはずがない』
『しょせん罰則やインセンティブがないと人は動かない』
そう思っていました。
ですが18歳さんにコメントを頂いて、前向きな気持ちが湧き上がってまいりました。
どこまでできるかわかりませんが、まずは行動してみます。
次代を担う若者たちが楽しく釣りを楽しめるよう、微力ではありますが尽力したいと思います。
初めまして。万年初心者のアラヒフのおじさんです。長く加古川市に住んでいたのですが、近くの釣り場を探して、先日初めて加古川河口を歩いてみました。思ったより距離がありますね。
大濱渡船が昨年5月に廃業されたようです。水道を攻めるのが難しいですね。
たかやんさん、はじめまして。
えーっ!大濱渡船が廃業ですか!
昔はタチウオとか釣れまくってて盛況だったようなんですが、最近はパッタリ釣れなくなりましたもんね。
寂しい限りです・・・
まぁ、加古川河口の導流堤は距離あって景色もいいですし、釣りだけじゃなくてお散歩にももってこいかと思います。