「なにもない」が「ある」
2020年の11月14日土曜日から日曜日にかけて、徳島県阿南市の蒲生田(かもだ)岬と民宿「あたらしや」さんを訪れてまいりました。
半島の付け根から岬の先端までは、曲がりくねった細い山道の連続で、車のすれ違いが出来ない場所も数か所あります。
こちらを訪れるのは骨が折れますが、それ以上の価値があると感じられることでしょう。
蒲生田(かもだ)岬先端は、10件ほどの集落と一軒の民宿があるだけで、夜になると深淵の闇と静寂に包まれます。
近くに街の明かりがありませんので、見えるのはベールが何枚もはがれたような凛とした鮮やかな星空だけです。
車の騒音や雑多な喧騒もなく、聞こえてくるのは木々のざわめく風の音と野鳥の鳴き声と静かな潮騒だけです。
自分自身が大自然と一体となって、まるで自我が喪失してしまったかのような感覚は何十年ぶりでしょうか。
夜中に浜辺で満天の星空を眺めていると、もうずうっと何時間でもこうしていたい。
これほどの心地よさに包まれながら、大自然に還って行けたならどんなに素敵だろう。
そのように、言葉ではなく感覚で感じたんです。
皆様もぜひ一度、蒲生田(かもだ)岬で真夜中の星空を眺めてみてください。
なぜだかわからないんですが、そうしていると僕はとめどなく涙があふれてきました。
なぜなんでしょうね。
きっと僕も含めて街で暮らす人々は、唯物的な思考と煩悩にすっかり毒されているのかもしれません。
きっと心が泣いてるんですよ。
人間が本来あるべき姿に帰りたくて。
アカウミガメ産卵地
岬の先端に広がる広大な砂浜は、アカウミガメの産卵地として有名です。
毎年5月から8月ごろまでが産卵シーズンですので、そのころに訪れると感動的なシーンに遭遇できるかもしれませんね。
ちなみに民宿あたらしやの女将さんのお話では、こちらの砂浜は爆釣ポイントだそうで、型のいいキスや、投げ釣りで大きな鯛も釣れるそうです。
ここは全く釣り荒れていないようですから期待が持てそうですね。
夏は海水浴も楽しめるんじゃないでしょうか。
キスがよく釣れるということは…
当然ヒラメちゃんも、いっぱい待ち構えていることでしょう。
くぅ~
あの強風さえなければ、夕方にヒラメ狙いでワームぶん投げていたものを…
砂浜の入り口の案内板です。
砂浜から灯台までは結構距離があります。
灯台へと続く広大な砂浜です。
アカウミガメの産卵地ですね。
ここで釣りをすると…
とんでもない座布団ヒラメとか、巨大マゴチとか、ピッチピチのマダイちゃんが釣れるかもしれませんよ~
正面に見える島は四国最東端の島、伊島(いしま)です。
島には人が住み、郵便局や学校、宿泊施設もあります。
伊島(いしま)へは、こちらの答島港から連絡船があるそうです。
興味のある方は突撃してみてください。
きっと、釣りパラダイスなんじゃないかと思います。
蒲生田(かもだ)岬灯台
灯台への遊歩道の入口には広い駐車場があります。
灯台へと続く遊歩道です。
途中、足場が悪い場所がありますのでご注意ください。
灯台へは、この険しい階段を上らなくてはなりません。
僕みたいなオッサンにはキツイですねぇ。
けっこう急ですので、慎重に上って下さいね。
上まで登りきると、紀伊水道が一望出来たり、
遥か太平洋まで望むことができます。
一見の価値がある大パノラマです。
僕のように度重なるボウズに苦しんでいる釣り人は、
賀立(かだち)神社の撫でうさぎをナデナデしておきましょう。
願いが叶うそうです。
きっと僕も、次の釣行では爆釣のハズです!
民宿あたらしや
民宿あたらしやさんは外観はもちろんですが、置物や調度品も非常に雰囲気とマッチして落ち着いた雰囲気を醸し出していました。
こちらに伺うまでは、正直過度な期待はしてませんでした。
僕の経験では民宿というと、新鮮だけどどこか味気のないお刺身が出てきたり、
煮付けも火を通しすぎて身がコロッコロのやつが出てきたり、朝食には炒めたウインナーと目玉焼きが出てきたりと、そんなイメージを持っていましたが、
この「あたらしや」さんはというと…
な、な、なんじゃこりゃ~!
こんなにも美味い刺身は人生で初めてじゃ~
煮付けも身がしっとりとして、それでいて火は完璧に通っておる!
この煮汁の淡くて深い味付けは絶妙の域じゃ!
唐揚げの、このフワフワ具合はどうじゃ!
まるで綿菓子のようじゃ!
そしてこの香ばしく深い味わい…
あ、あんた、なんちゅうことを、なんちゅうことをしてくれたんじゃ!
ワシのルノアール自由に使っ…
っと、心の中でつぶやいてしまいそうになるほどに、すべてのお料理に細かい心配りが感じられ、心底感動しました。
言葉では言い表せないほどの美味です。
僕がまだ髪の毛がフサフサで羽振りが良かったころは(20年ほど前ですね)、名だたる一流料亭を食べ歩いたことがありますが(会社の経費でね♥)これほどの感動と衝撃を受けたことはありません。
皆様ぜひ一度、この味を体感してみてください。
きっと衝撃を受けますよ。
ふぃ~
思い出しただけで、よだれが出ますよ…
ああ、また食べたい…
青物アレルギーでメジロやブリが大嫌いだったはずの僕が、
なんてことでしょう!
あの特有の臭みが全くないじゃありませんか!
ペロッと食べちゃいました。
そしてまた、驚愕のお味だったのがこの寒グレの皮霜造りです。
身が甘く、しつこくない脂の乗りと深みのある旨味が感じられ、
またこの炙った皮目の、香ばしくてプリプリとして旨いこと!
グレって、こんなにもおいしい魚だったんですね。
鯛の皮霜も、これまたオツな味わいでした。
どれもこれも美味すぎる!
あぁ~、ワシをこれ以上泣かせんとってくれ。
この肝醤油で食べるカワハギは、昇天しそうなほどの美味やないか!
とどめは伊勢海老の活け造りか~い!
今までの人生で食べてきた伊勢海老は、いったいなんやったんじゃ?
違う種類のエビやったんか?
この芳醇な甘みに酔いしれてノックアウトじゃ!
翌朝の朝食も旨すぎて、ご飯てんこ盛りにおかわりしちゃいました。
お食事の素晴らしさばかりではありません。
女将さんの細かい心配りや優しさにも、心底感動させられました。
館内も、けっして豪華設備ではありませんが心配りが行き届いており、非常に心地よく過ごせました。
女将さんの淹れてくれるコーヒーも、プロも裸足で逃げ出すほどのレベルです。
手作りの、すだちのパンナコッタも素晴らしいお味でした。
皆様もぜひ一度、民宿「あたらしや」さんを訪れてみてください。
僕の言っていることが、けっして誇張じゃないことを理解していただけるはずです。
民宿「あたらしや」さんはこちらになります。
動画も見てくださいね
蒲生田(かもだ)岬と民宿「あたらしや」さんの紹介動画も作りました。
ぜひぜひご覧ください。
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