ヴィッツとは全くの別物
2010年の年末に発売された先代にあたる3代目ヴィッツから数えて、およそ9年ぶりのフルモデルチェンジとなりましたが、その内容は目を見張るものでした。
シャシーは新開発のBセグメント用TNGA、エンジンも新開発の3気筒ダイナミックフォースエンジンで、ハイブリッド用のモーターとバッテリーも強化されています。
先代ヴィッツ登場時は、ちょうどリーマンショックのあおりをもろに受けていた時期で、また、トヨタのクルマ造りが最も迷走していた時でもあって、登場時にはちょっとびっくりするくらいに安物感満載の出来でした。
何度も細かい改良を受けたおかげで、最終型は「これなら買ってもいいか」と思えるまでになったのですが。
特に豊田章男氏が社長に就任してからは大掛かりなボディ補強も施され、走りの質感がかなり良くなったように感じます。
おそらく盛大なダメ出しを受けたんでしょう。
今回の新型ヤリスは、今までのうっぷんを晴らすかのようにゼロベースで一から作り上げられているようです。
シャシーの構造も後付けのボディ補強の必要性が全くないほどの強固なものですし、エンジンも最先端の技術トレンドを盛り込んで、燃焼効率40%越えを達成しています。
ハイブリッド車の燃費もWLTC燃費で約36km/lですから、旧型のJC08燃費34.4km/lと比較するとおそらく15%~20%近く実燃費は向上しているものと思われます。
これはとんでもないことで、素晴らしい技術革新だと思います。
ユーザー目線でも非常にありがたいことですね。
技術解説を見てその内容の凄さにワクワクしながら試乗に赴いたのですが、実際に見て、触れて、乗ってみての感想を詳細にレポートいたします。
くどいようですがあくまで僕個人の主観であって、著名ジャーナリストやメディアの評価と違うところがあったとしても、それは「主観の相違」というものです。
予めご了承うえ、お目通し願います。
当日試乗したグレードは、3グレード中最下級のHYBRID X 2WDとなります。
外観デザイン
評価:★★★
現時点では、全体的に突飛な違和感が感じられます。
これは、今までに遭遇したことのない類のデザインだからでしょう。
シトロエンDSなども最初は奇異な印象しか受けませんでしたが、次第に見慣れてくると非常にスタイリッシュでスポーティに感じられましたので。
実車を見てみると、全体的には塊感、凝縮感は十分に感じられますし、大きく口を開けたようなフロントフェイスも、写真で見るよりもカッコよくフォーマルな感じにさえ見えました。
リアフェンダーの鋭利なプレスラインが少々うるさく感じられなくもないですが、うまくリアのコンビネーションランプとガーニッシュに繋げていて、まとまりは感じられます。
Bセグメントのファミリーカーでここまでの冒険をするのは勇気がいったことでしょう。
基本的には欧州向けにあつらえたデザインなのでしょうが、これを日本で発売してしまうところに今のトヨタの凄さを感じます。
所有欲をくすぐられるかと聞かれたら微妙なのですが、これをベースとしたGRヤリスが非常にスポーティーで魅力的なデザインですので、今後見慣れてくると星4つにも星5つにもなる可能性はあります。
そのチャレンジング精神に最大限の敬意を表しつつ、現時点では星3つの評価とさせていただきます。
アグレッシブすぎて違和感が感じられるかもしれませんが、フロントエンドに収束するダイナミックな曲面は非常に迫力が感じられます。
それでいて下品な印象は受けませんでした。
うーん…
だんだんとカッコよく思えてきました。
ヘッドライトのグラフィックもシャープでスポーティーだと思います。
この大口を開けたようなバンパーのデザインもこうしてみると車格以上にワイド&ローに感じられ、真正面から見た限りでは非常にカッコよく感じられます。
それでいてフォーマルな感じもします。
フロントエンドに収束する曲面のおかげで塊感も感じられます。
コレはもうカッコいいんじゃ…?
スペースの関係上サイドビューはうまく撮影できなかったのですが、アグレッシブなフロントからうまくサイドに繋げていますし、Cピラー周辺の絞り込みも美しく感じられます。
安直なプレスラインに頼らず、巧みな面構成でデザインされていますね。
リアフェンダー周りのプレスラインに僕的には少し鈍重さが感じられ、違和感につながっているのですが、プレスラインからコンビネーションランプ、ガーニッシュへと繋がるラインは美しいと思います。
ここも見慣れてくると印象が変わってくるかもしれません。
リアビューはカッコいいかと問われると微妙な感じがしますが、迫力と斬新さは感じられました。
とにかく全体に挑戦的なデザインで、今時このようなデザインができるということは、今のトヨタは自由闊達な開発環境があるということなのでしょうね。
内装
評価:★★
同時期に発売された新型フィットとは正反対の仕上がりで、悪く言えば閉塞感、圧迫感が感じられますが、良く言えば適度な包まれ感があってクルマとの一体感が感じられます。
内装のデザイン自体はスポーティーかつ機能的な仕上がりで悪くないと思うのですが、いかんせんインパネ周りやドアの内張のプラスチックの質感が低すぎます。
シボがうんぬんというよりも素材自体が非常に安っぽく感じられるようなもので、試乗時は妻も同乗していたのですが、後で聞いたら「安っぽい」と酷評でした。
内装のコンセプトは別として、上質感は一目瞭然で新型フィットの圧勝でしょう。
それほどまでに違いが感じられました。
最上級グレードならばまた違った印象となるかもしれませんが、当日試乗したのが一番最下級のグレードだったとはいえ、商用車のような質感と言えます。
ここはちょっとトヨタらしくないと思わされました。
おそらく全面刷新のため、内装にはあまり予算が割けなかったのでしょう。
今後の改良に期待したいところです。
なかなか写真では伝わりにくいのですが、特に2分割されたインパネの下部の樹脂の質感が低く感じられました。
普段見たり触れたりすることが多い部分ですので、早急な改善が必要でしょう。
内装の質感の低さで購入を断念される方もおられるかもしれません。
せっかく走りは素晴らしいのに、実にもったいないことです。
ステアリングの触感も商用車然とした固いもので、今一つと感じられました。
テレスコピック調整可能なのは素晴らしいと思います。
ディスプレイオーディオは全車標準装備です。
ナビ機能は搭載していませんが、スマホとリンクしてナビ画面を表示可能です。
空調操作パネルはダイヤル式ですので、操作性は良好です。
プッシュスイッチは、もう少し大きいほうが操作しやすそうです。
シフトレバー周りの樹脂の質感と、シフトノブの握り心地は上質感が感じられませんでした。
最下級グレードというのもあるでしょうが、少し安っぽいですね。
シートの出来はあまり印象に残っていませんが、特に気になるところはありませんでした。
もともと欧州向けに造られてますので、ロングドライブ耐性は充分に持っているものと思います。
表皮がチープですが、これは上級グレードになるとガラッと印象が変わるでしょう。
写真だとわかりづらいのですが、ぱっと見で分かるほどに樹脂の質感が安っぽいです。
新型フィットの後に試乗したからかもしれませんが、嫁はビックリしてました。
居住性、ユーティリティ
評価:★★
前席は若干の閉塞感が感じられました。
フロントガラスがかなり額に近い印象で、ヘッドルームも余裕はあるのですが窮屈に感じられます。
この前席の居住性はスポーツカーにも似た雰囲気が感じられました。
欧州車でも背の低いセダンは、このような居住空間の取り方をしていることが多いように思います。
これは長距離、高速走行の機会が多い欧州にターゲットを合わせた造りなのだろうと思います。
欧州は高速道路、一般道ともに日本国内よりもかなりハイアベレージですので、やはり車体との一体感、包まれ感が重視されるのでしょう。
ハイアベレージなワインディングを日本の1BOXカーで走ったら冷や汗ものでしょうから。
後席の足元空間も少し窮屈で、このクルマは基本的にドライバーズカーとして造られているように感じました。
運転好きの方が1人ないしは2人でロングドライブをするような使い方だと、非常に疲れも少なく、楽しくドライブができるかもしれません。
しかしながら、頻繁に3名以上乗車されるようであれば少し厳しいです。
購入される方の使用シチュエーションによって評価はがらりと変わるでしょうが、単純に利便性で考えると星2つとなってしまいます。
前席はスポーツカーのような包まれ感、安心感があって個人的には嫌いではないのですが、新型フィットと比べるとフロントウインドウ上端と額との距離がかなり近く感じられますので、同乗者には不評かもしれません。
後席の座り心地は未確認です。
申し訳ございません。
膝周りの空間には余裕はありません。
新型N-WGNや新型フィットと比べると、かなり窮屈に感じられます。
トランクスペースは、このクラスとしては充分な広さと言えるでしょう。
ですが、もう少し後席の足元空間のほうに割り振ってもらいたかったと思います。
走りの評価 (エンジンとミッション)
評価:★★★★
ハイブリッドシステムであるTHSは、トヨタ独自の遊星歯車機構を用いることでエンジン、モーター、発電機の各々が独立して効率よく機能することを可能にしています。
シリーズ式でもパラレル式でもないこのハイブリッドシステムは、おそらく効率面では現状で世界最高のものでしょう。
少し前まではドライブフィールの面で大いに不満があったのですが、一世代前のアクアやヴィッツに搭載されているものではかなり自然なフィーリングとなって、加速性能面でも不足ないものになっていました。
ヤリスではエンジンもモーターも大幅にパワーアップしていながら、燃費性能もWLTCモードで約36km/lという驚きの数値を叩き出しています。
これは実燃費で普通にリッター30km/l台が出せるもので、恐るべき燃費性能です。
ガソリン車との価格差を埋めるための走行距離も相当に縮まったことでしょうから、この燃費性能だけでも「買い」と言えます。
実際に運転してみると、アクセル操作に対して非常にレスポンスよく力強く加速します。
その際のエンジン音の高まりと車速の高まりの相関も極めて自然で、まるでトルクの太いエンジン車を運転しているような頼もしさが感じられました。
アクセルを深く踏み込むと、アクアやヴィッツとは比較にならないほどのちょっとのけぞるような鋭い加速をします。
非常に気持ちよく、高揚感が感じられるホットハッチのようなフィーリングでした。
惜しむらくは新開発の3気筒エンジンの音質とボリュームです。
回転フィールは滑らかなのですが高回転域ではかなり騒々しく感じられ、音質も気持ちのいいものではありませんでした。
これさえなければ文句なしの星5つの出来栄えなのですが。
ハイブリッド車にもガソリン車に搭載しているバランサーシャフトを付けるか、もう少し遮音性を高める改良が望まれます。
新型フィットに対しては上質さでは完敗ですが、楽しさでは完勝です。
おっと、燃費性能も圧勝ですね。
走りの評価 (足まわりとボディ)
評価:★★★★
シャシーは新たに開発されたBセグメント用のTNGAに全面刷新されました。
ボディの剛性感は、まるで金属の塊を削り出したかのような強固な一体感が感じられます。
高速で大きな段差を通過しても、ボディがたわんだり歪んだりする感触は一切感じられませんでした。
これは完全にクラスを超えたもので、欧州車に対しても一歩も引けを取りません。
シャシーのありとあらゆるところに工夫が凝らされていて、技術解説を見る限りでは後付けの補強パーツの必要性は一切無いと思います。
これは非常に後付けパーツメーカー泣かせですね。
おそらく経年劣化に対する耐性も高いと思われます。
ただ、サスペンションの味付けはファミリーカーとしてはどうかと思われるほどに固いです。
突き上げの角は丸められていますので全く不快感はないのですが、低速でも高速でも段差を越えるたびにボディが揺すられます。
これは完全にスポーツカーのフィーリングです。
僕が昔乗っていたFTOに近いものを感じました。
カーブでのロールも少なく、クルマの動きがきびきびとしていて、また、タイトなドライビングポジションも奏功しているのでしょうが運転が非常に楽しく感じられます。
おそらく欧州向けのセッティングをそのまま国内に持ってきたのでしょう。
運転の楽しさという観点では非常に素晴らしい出来なのですが、同乗者からは不評をかってしまう可能性は感じられました。
どうでしょうか?
ここまでのボディ剛性があるのですから、国内向けはもう少ししなやかにいなすセッティングとしても運転の楽しさは維持できるのではないでしょうか。
今後の改良に期待して、星4つとさせていただきます。
総合評価
評価:★★★★
現状では粗削りな面も散見されますが、走りの楽しさと燃費の良さではずば抜けたものがあります。
特に燃費の良さだけでも「買い」と言えます。
他メーカーが今後この燃費を越えてくるのは非常に困難でしょう。
今後改良が加わることで、Bセグメント最強のクルマとなる可能性も充分に感じられました。
ただ、多人数での乗車機会が多い方、自動車に安楽さを求める方は避けたほうが無難かもしれません。
そのような方に対しては、星3つの評価とさせていただきます。
最近のトヨタ車は、特にデザインやコンセプト面で驚かされることが多くなりました。
ドライブフィールも素晴らしいクルマが増えてきましたね。
もはやトヨタ車が「退屈なクルマ」というイメージは過去のものです。
今回のヤリスも、メカニズム面でもデザイン面でも非常に斬新で先進的でした。
「挑戦無くして成功無し」
「市場がそこにあるのではなく、自分たちが造るのだ」
という言葉が聞こえてきそうなクルマです。
おや?
豊田章男社長が現代の本田宗一郎のように思えてきましたよ。
コメント
コメント一覧 (4件)
試乗記も新たに追加なさっていたのですね。
先代ビッツは、レンタカーを借りたことがあるのですが、とにかくガーガーうるさくてガサツなクルマ、という印象しか残りませんでした。それを思えば格段の進歩なのですね。いずれレンタカーで借りる機会がある(レンタカー代をケチるから)と思いますが、その時にヤリスの観察をしてみたいと思います。
すずめのすさん、お久しぶりです。
コメント頂いてありがとうございます。
僕も先代ヴィッツは、初期型と最終型にレンタカーで乗った経験があるのですが、初期型はかなりの安普請で、いいところはまるでなかったですね。
ところが最終型は、見違えるほどにまともなクルマになってました。
これならば、中古の出物があれば買ってもいいかな?と思えるほどでした。
とはいえ、新型ヤリスは次元が違うほどのレベルアップを果たしてまして、欧州車と真っ向勝負できるほどのレベルだと思います。
現状では乗り心地がちょっと固すぎたり、内装の質感が低かったりしてイマイチと感じられる部分もあるのですが、走りの根本の部分は素晴らしいと思いますので今後の改良が楽しみです。
ちょくちょく街中でも見かけるようになってきましたが、デザインも初見の違和感が無くなり、なんだかスポーティーでカッコよく感じられます。
すずめのすさんも、ぜひ一度試乗してみて下さい。
やまねこさんの試乗記事久しぶりにキター。
やまねこさんの試乗記事的を得ている記事ばかりでかなり参考になる物ばかりでした。
ただ、スズキにだけ甘い評価なので、鈴菌感染者か!!と疑っていましたが(笑)
僕の個人的な意見ですが、スズキ車は確かにいい車だけど買う気には絶対なりません。自動車修理屋(修理、板金、塗装など)を営んでいるので、その安い代わりにどこが犠牲になっているか分かるからです。修理屋さんとしてはバンバン故障してくれたほうが儲かるのですが・・・・他メーカーさんの2~3倍・・・の頻度ですので、・・・・・・え、えっと、まぁ、長くなるので多くは語りませんが。
すみません。失礼な文&雑談が過ぎました。
トヨタ・ヤリスとフィット。先代ヴィッツに比べるとかなり色々な所がグレードアップしていて、とてもいい車だと思います。
ただ、価格がグーンと上がってしまったので、価格相応な車だと思います。
やまねこさんのフィットとヤリスの記事の今回の評価も全く文句ないほど的を得ていますので、試乗の話とは別の話になってしまうのですが、自動車が軒並み高価格化(値上げ)に関してはどういう風に感じていますか??
オートライト、自動ブレーキ、その他安全基準の厳格化によって少しずつ価格が上がるのはしょうがないと思いますが、ちょっといらないものも付きすぎている気がします。
少子高齢社会(家族の人数が少ない)によって、一番お金を掛ける車の種類がミニバンではなく、コンパクトミニバンやコンパクトカー、軽自動車に移行しているので、価格が上がるのも悪くないかも知れませんが、ちょっと高い気がするのです。
ガゾリン車
ヴィッツ乗り出し価格
1代目ヴィッツが89万~
2代目ヴィッツが110万~
3代目ヴィッツが111万~
4代目ヴィッツが140万~ (ヤリス)
フィット乗り出し価格
1代目フィット117万~
2代目フィット125万~
3代目フィット132万~
4代目フィット155万~
デミオ乗り出し価格
1代目デミオ105万~
2代目デミオ117万~
3代目デミオ117万~
4代目デミオ137万~
マツダ2 157万~
新型ノートも高くなりそう。軽自動車もグレードによってはかなりの高騰化。価格が車の作りに反映はされてはいますが、若者たちの初任給があんまり上がっていないのに車がかなり高くなりました。若者たちは新車も中古車も高騰化して買えるのかな?ちょっと可愛そうだと思います。
車の高騰化について、やまねこさんの個人的な見解をぜひ聞いてみたいです。
長文失礼しました。時間がある時に読んでくだされば幸いです。よろしくお願いします。
名無しさん、お久しぶりです。
いつもコメント頂いてありがとうございます。
多忙な日々が続いたことと、超ネガティブなコメント(まるで脅迫のような文面でした…)でモチベーションが下がってしまって、大変長らくご無沙汰してしまいました。
大した見識も持ち合わせていないのに、いつも偉そうなことばかり書きなぐってお目汚しかと思いますが、そのようにお褒めいただけるとモチベーションがまた、むくむくと湧き上がってきました!
ありがとうございますm(__)m
そうなんですよね…
僕はあまり実害を受けたことがないので少し軽い認識でしたが、確かにスズキ車は経年劣化に弱い部分はあるかもしれません。
以前所有していた2代目スイフトも、5万キロくらいの時に全ての(全部ですよ!)車幅灯とブレーキランプが切れてしまったり、手放したときの走行距離は10万キロだったんですが、明らかにボディが緩くなっている感触が感じられました。
新車を試乗する分には、なかなか分からないことですので貴重な情報ありがとうございました。
ちなみに、現行スイフト以降のスズキ車は、僕はイマイチなものが増えてきたように感じています。
開発陣が世代交代してきてるんでしょうかね?
自動車の価格は、僕の髪の毛がフサフサだった頃(25年ほど前ですw)と比べると、
確かに大体100万円近く高くなってますね…
昔乗っていたシャレードデトマソは、1.6リッターでレカロシートも付いて130万そこそこで買えましたのでいい時代でした。
その間、日本以外の先進諸国は物価も賃金も上昇していますので、それほど高くなった印象はないのかもしれませんが、バブル崩壊後賃金が横ばいの現代の日本では、なかなか昔のように気軽に新車は買えない状況です。
僕個人としては本当に必要と感じる装備は、ABSとトラクションコントロール(雪道用ですが)と、エアバッグだけです。
運転に集中していれば、自動ブレーキもESCもオートライトも必要ないと感じます。
ただ、マクロな視点で見ると、それらの装備の普及によって死者数が減っていることも確かですので、社会的な観点では必要なのでしょうね。
普通免許の上に、ドライビングテクニック上級者用の免許をつくってもらって、その免許を所有しているドライバーのみが購入できる、簡素な装備で安価な自動車があったりしたら素敵なんですが…
まあ、ゼロリスク信者が多い今の日本では無理でしょうね(笑)
今のクルマ好きの若者たちがかわいそうですが、中古でしたらまだかろうじて純粋に運転が楽しめる車が現存しているかと思います。
個人的には2代目フィットのRSや、先代デミオのスポルトあたりがおすすめですね。
パーツも豊富にありますし、しばらくは純正部品の心配もないでしょうから。