【新車試乗】 ホンダ 新型N-WGN 遂に軽自動車の枠を超えたか?

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これはもう軽自動車とは呼べない

2019年8月9日にフルモデルチェンジを受けて発売された新型N-WGNですが、電動パーキングブレーキの不具合で一旦販売停止となり、翌2020年1月20日から生産再開となりました。

先代N-WGNは、おそらくワゴンRとムーヴを意識しすぎたのでしょう、非常にまとまったスタイリッシュなデザインではありましたが、明確な個性が感じられず市場では希薄な存在感となってしまいました。
今回は新型N-BOXと共通の新世代シャーシーと超ロングストロークエンジンを得て、デザインも一見突飛にも感じられる個性的なものですので、ホンダとしても起死回生を狙ったものでしょう。

現状では市場の反応は好評で、大量のバックオーダーを抱えていますので納期は長くなりそうですが、果たして待つだけの価値はあるのか?
果たしてプラットフォームとエンジンを共用する、王者N-BOXの出来を明確に超えてきたのか?
嫁の愛車がそろそろ限界ということもあり、次期愛車を探すべく試乗に赴いてまいりました。

グレードは、カスタムL・ターボホンダセンシング(FF)です。

外観デザイン

評価:★★★★

先代はエッジのきいたプレスラインで表現されていましたが、面構成は単純で、上質感や高級感はあまり感じられませんでした。
率直に言って、少々安っぽい感じを受けました。
対して新型N-WGNは、一見するとペナペナの平板なデザインに見えてしまうかもしれませんが、実車を目の当たりにすると、実に巧みな曲面の構成で塊感を演出しています。
サイドもうまくボリューム感を出しながら、室内寸法を犠牲にしていないのは、なかなかのものだと思います。
N-BOXに対しても重心の低さがしっかりと感じられます。

総じて、上質な落ち着いたデザインであると言えるでしょう。
個人的には標準系のフロントマスクが、あまりにもファニーに感じられてイマイチと思うのですが、こちらは女性向けでありましょうし、見慣れてくる類のデザインかもしれません。

標準グレードは★★★
カスタムグレードは★★★★
の評価とさせていただきます。



安っぽかったり、嫌みに感じられる部分はありません。
非常に上質で高級感すら感じられます。



下品なデカグリルに頼らずとも、立派な車格感と迫力が感じられるフロントマスクです。
モダンですし、なかなか斬新です。
ダイハツやスズキも見習うべきでしょう。



絶妙な曲面のおかげで、サイドビューにもボリューム感が感じられます。
限られた車幅の中で、なかなか見事な仕事だと思います。



リアビューも面の張りがあって、軽自動車とは思えない車格感が感じられます。
重心も低く感じられますし、他のどの車種にも似ていない個性がありますね。

内装

評価:★★★★

内装は基本的にN-BOXと共通です。
質感の高さ、デザインの上質さはBセグメント級でしょう。
また、軽自動車初のハンドルのテレスコピック調整(前後調整)を搭載している点は素晴らしく思います。
しっかりと適切なドライビングポジションが取れました。

細かく見ると多少プラスティッキーな部分も見受けられますが、軽自動車の中では断トツのクオリティーでしょう。
ホンダはシボの取り方が非常に上手で、使っている素材は安価でも上質感が感じられます。
空調とナビの視認性、操作性も良好でした。
初めての運転でも戸惑うことはないでしょう。



ハンドルはN-BOXと共通のものでしょう。
皮の質感も高く、しっくりと手になじみました。
ACCの操作もしやすそうです。
テレスコピック調整の採用は大英断だと思います。



インパネ周りも上質感溢れる仕上がりです。
シフトノブ周辺のシボの取り方も非常に上手いと思います。
操作性も上々です。
注文を付けるとしたら、USBポートにカバーが欲しかったですね。



シフトノブはプラスチック素材ではありますが、非常に手に馴染むもので握り心地は上質でした。
上手くあしらわれたメッキパーツのおかげで、高級感があります。



フロントシートはたっぷりとしたクッションで、非常に掛け心地が良かったです。
これならば、ロングドライブにも充分に耐えうるでしょう。
デザイン、表皮の質感も軽自動車離れしています。



リアシートも、軽自動車とは思えないほど上質な掛け心地でした。
これならば大人4人での長時間の移動も苦にならないでしょうね。

居住性、ユーティリティ

評価:★★★★

N-BOXのように、リアシート座面のチップアップ(跳ね上げ)が出来ないのが残念です。
充分な室内高はあるのですが、車内で子供が立ったまま着替えたり、高い尺のものを立てたまま運んだりするのは難しいです。
そのような用途に使われる方は、N-BOXを選んでくださいということなのでしょう。

おそらくN-WGNは、ユーティリティー面よりもシートの掛け心地も含めたドライブフィールを最重視しているのではないかと思います。
ドライバーズカーであり、大人4人が快適に移動できるクルマというコンセプトなのでしょうね。
実際に試乗してみて、そのように感じられました。



フロントはベンチシートですが、サポート性に問題は感じられませんでした。
横方向も充分なゆとりがあります。
また、センタートンネルがありませんのでウォークスルーも可能です。



リアシートの足元空間は広大です。
これ以上は必要ないほどのゆとりがあります。



トランクはアッパートレイのおかげで、軽自動車の限られた空間を有効に活用できます。
素晴らしいアイデアだと思います。



リアシートを倒すと、このようにフラットな広い空間となります。
リアシートの座面がチップアップ(跳ね上げ)出来ないのは残念ですが、よく考えられた使い勝手のいいトランクスペースではないでしょうか。

走りの評価 (エンジンとミッション)

評価:★★★★★

N-BOXと同様に、エンジンは先代のS07A型から、超ロングストロークのS07B型に換装されています。
同じS07という型式名が付けられていますが、実際は全くの新開発と言っていいでしょう。
たぶん世界一のロングストロークエンジンだと思うのですが、実際に運転してみても660ccとは思えないほどにトルキーで、非常に頼もしいフィーリングです。
S07A型エンジンとはスペック上は大差ないのですが、感覚的には見違えるほど力強くなりました。

もしかしたら、N-BOXに初めて搭載された時よりも改良されているのかもしれませんが、音/振動面でも非常に静粛で、回転フィールも極めて滑らかです。
それでいて、高回転域では「サウンド」と言っていいほどの快音を奏でます。
もはや3気筒のネガも全くありません。
僕の主観では文句の付け所がありませんでした。
非常に完成度の高いエンジンだと思います。

CVTも全くスリップ感がなく、回転上昇と速度上昇が一致しない違和感もほとんど感じませんでした。
ホンダ内製のCVTそのものの出来もいいのでしょうが、制御プログラムのロジックも優れているのでしょう。
非常にリニアな加速感で、ミッションに関しても文句の付け所がありません。

総じてパワートレーン全体の印象としては、軽自動車とは思えないほどの全くストレスを感じさせない走りです。
1.3リッタークラスと比較しても、感覚的には遜色ありません。
予想を大きく上回るフィーリングで、これには心底驚かされました。

走りの評価 (足まわりとボディ)

評価:★★★★★

素晴らしいの一言です。

よくもまあ、フロント・ストラット/リア・トーションビームという、ありきたりなサスペンションで、ここまでの乗り味を実現できたものです。
N-BOXも、素晴らしいボディ剛性とサスペンションだと感心したものですが、このN-WGNは更に明確に上をいっています。
ボディ自体の軽量化と重心の低下はもちろん効いているのでしょうが、N-BOXでは大きな段差や駐車場の入り口などで、ボディが大きく揺さぶられる感覚があったのですが、N-WGNではその感覚が全く感じられませんでした。
新世代シャシーに代わってからの熟成が進んでいるのかもしれませんが、ここまでのポテンシャルを秘めていたとは驚きです。

交差点や急なカーブでのふらつき感は皆無ですし、高い速度域で大きな段差を通過しても、何事もなかったかのようにサスペンションがしなやかに吸収してしまいます。
軽自動車とは思えないボディの落ち着きがありつつ、段差をいなす際のフィーリングもまるで高級車のように極上でした。

同じ日に新型フィットと新型ヤリスも試乗したのですが、僕的にはN-WGNのほうが乗り心地と操安性のバランスは上と感じました。
特に乗り心地は、新型ヤリスよりも大幅に優れていて、巷では乗り心地がいいと評価されている新型フィットよりも明確に優れていました。
今までの試乗経験から申し上げますと、この乗り心地はCセグメント車に匹敵するレベルです。

皆様もぜひ一度試乗してみてください。
きっと驚かれることでしょう。

実際の走行フィールは、こちらの動画をご覧ください。

2020 ホンダ 新型N-WGN 試乗動画 HONDA N-WGN Drivefeel

僕のYouTubeチャンネルも、閲覧&チャンネル登録して頂けましたら幸いです。

総合評価

評価:★★★★★

とうとう軽自動車もここまで来たかと思わせる出来です。
僕の主観では、まったくケチをつけるところがありませんでした。
これならば、軽自動車だからと我慢を強いられる場面は皆無でしょう。
むしろ小回りが利く点や、税金・高速料金が安い点などメリットが際立ちます。
コンパクトカーの存在意義を脅かす存在になりそうです。

強いてケチをつけるとすれば、実用燃費がハイブリッド車にかなわない点でしょうか。
更なるコストアップにつながりますが、マイルドハイブリッドか、オワコンとなりそうなi-DCDをNシリーズに搭載してはどうかと思います。
i-DCDのミッションとモーターと、リチウムイオンバッテリーは小型化し、新たに設計する必要がありますが、何より熟成極まった制御プログラム(ファームウェア)を捨て去ってしまうのは、非常に惜しいと思うのですよ。
ホンダも相当な犠牲を払いつつ完成度を上げ切ったシステムですので、なんとか軽自動車に搭載できないもんでしょうかねぇ…
シェフラーとの兼ね合いで難しいのでしょうか?

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