【中古車試乗】ホンダ シビック(EU1)試乗 激安中古車の実力は?

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ホンダ 7代目シビック試乗記

我が家のセカンドカー、ホンダの7代目シビックの解説です。

今から4年半程前に、11年落ちで走行距離1万7千キロの5ドアハッチのシビックを購入しました。
登録費用込みで35万円と激安でした。
車内は広く、燃費も良くて、仕事と小旅行に大活躍中です。
グレードは iE Lパッケージで、確か「カーオブザイヤー受賞記念特別仕様車」だったと思います。モデューロのエアロも付いていて、標準車よりも重心が低く見えてスタイリッシュに見えます。

歴代のシビックがスポーツカーのように低い車高と、ホンダらしい高回転・高出力のエンジンで走りの良さを売りにしていたのですが、この7代目からは大幅にコンセプトが変更され、居住性、燃費が最優先となり、一見ミニバンのようなフォルムに根強いシビックファンは一気にそっぽを向いたのでした。
今の時代で考えると、このコンセプトは理にかなっているのですが、少し登場時期が早すぎたのでしょう。
あと1世代はスポーティーさを最優先したコンセプトにすべきだったと僕は思います。

乗ってみて分かったのですが、実に合理性、実用性が高く、優れたクルマです。
ある一点を除いては…このクルマは操安性に難ありなんです。

外観デザイン

評価:★★

シンプルなデザインで、余計なキャラクターライン、メッキパーツなども無いのは良いのですが、もう少しボリューム感、高級感、見とれるようなカッコよさがあればと思います。
実用性を重視しつつ、シビックらしいスポーティーさを出せていればと惜しまれます。
クーペのようなフォルムのEGシビックと比較すると、ミニバンと揶揄されても仕方がないデザインです。
コンセプトの大幅変更に伴う煮詰め不足を感じざるをえません。

シンプルな面構成、プレスラインで飽きのこないデザインとは思いますが…

この角度からは重心が低く、スタイリッシュに見えますね。

ボディに対してタイヤが小さく見えてしまいますが、14インチを履いてますので…
サイドのデザインも決してカッコ悪くはないです。

斜め後ろから見ても悪くないと思います。

僕的にはリアデザインが特に良くないと思っています。
同時期のオデッセイにそっくりですし、腰高に見えてしまいます。
もう少しシビックらしい個性的なデザインにできたのではないでしょうか。

内装

評価:★★★★

同時期の同クラスでは標準的な質感と言えましょう。
インパネは全面ハード素材ですが、ホンダは艶の出しかた、シボの使い方が上手く、高級感はありませんが、一見ソフト素材のような見栄えがします。
車内は随所に使いやすさに対する配慮が感じられ、非常に合理的かつ実用的です。
この点は、このクルマの最大の長所と思います。

本革巻きステアリングの感触は良いのですが、もう少し小径でスポークも太いほうがいいかと思います。中央のパッドはビビリ音が発生したので防振してます。こういったところも煮詰め不足を感じます。

インパネシフトと空調スイッチはハンドルから近く、非常に扱いやすいです。

フロントシートは大きめでゆったりとしています。大型アームレストも快適です。
シートは固めながら出来は良いほうだと思います。

後席は足元、頭上ともにかなりの余裕があります。おまけに足元のセンターフロアのでっぱりが無くフルフラットですので、フロントシートへのウォークスルーも容易にでき、非常に便利に感じます。

トランクルームは十分な広さがあり、リアシートを倒せばフルフラットの広大な荷室となります。営業車としてたくさんの荷物を積むなどの用途にも使えそうです。

走りの評価 (エンジンとミッション)

評価:★★★★

リーンバーンSOHC16バルブエンジンは、低負荷時に吸気バルブの片方を休止してシリンダー内に渦を発生させ、少ない燃料で安定した燃焼を可能としています。
通常時はただのSOHC16バルブエンジンなのですが、SOHCエンジンとは思えない程のレスポンスの良さと吹け上がりの鋭さがあります。
さすがはホンダエンジンです。低速トルクも太く、トップエンドまで静かかつスムースなフィーリングは素晴らしいものです。
体感的にも1.5リッターとしては、かなりパワフルに感じられます。
それでいて、実用燃費も平均リッター16Kmと素晴らしく良いです。(結構高回転まで回してこの燃費です!)

ミッションはCVTですが、エンジンと変速機との間に湿式多板クラッチを使用する、ホンダ独自のHMM(ホンダマルチマチック)が採用されています。
他社のトルコンを使用したCVTと比べて非常にダイレクト感があり、いわゆる「ラバーバンドフィール」は全く感じられません。
ただし、フルード交換を怠ると湿式多板クラッチにジャダーが発生しやすいのが難点です。
この欠点さえなければ満点でした。

エンジンとミッションの完成度は非常に高く、最新のクルマと比較しても全く引けを取らないものです。

走りの評価 (足回りとボディ)

評価:★

タイトコーナーでは低いスピードレンジから、だらしなくアンダーステアが出ます。
そのうえコーナリング中に段差に遭遇すると接地変化が感じられ、安心してコーナーに飛び込んでいけません。
リアサス周りも剛性不足が感じられます。
リアのスタビリティが低いので、オーバーステアにならないように意図的にフロントの剛性も下げて、終始アンダーステアになるようにセッティングしているものと思われます。
高速道路では100km/h以上で横風の影響を受けやすく、常にハンドルの修正を余儀なくされます。
高速域での直進安定性も良くありません。

これは典型的な1BOX車のハンドリングです。
あの名車EGシビックから比べて、ここまでハンドリングが劣化してしまっていた事に僕は大きく落胆しました。
せっかくのフロント・トーコントロールリンクストラット、リア・ダブルウィッシュボーンの4輪独立サスペンションが宝の持ち腐れです。
シビックファンが「ミニバン」と揶揄していたのはスタイリングだけではなかったのです。

評価:★★★★(改造後)

しかしながら、同じサスペンション、シャシーのシビックtypeR、インテグラtypeR、欧州仕様の3ドアEP型の走りの評価は高かったので、恐らくボディ剛性に問題があるものと推察した僕は、徹底的にボディ補強を施してみたのです。
結果的にはこれが大正解でした。
補強後は、まるで別のクルマになったかのような非常に高レベルのハンドリングに激変しました。
矢のような直進安定性、外乱をものともしない接地変化の無さ、ゴツゴツ感はあるものの上質な乗り心地、アンダーステアからニュートラルステアに変化してシャープになったコーナリング。
大げさではなく、先代アウディA4あたりと肩を並べるほどのレベルになりました。
もう少ししなやかさがあれば満点でした。

補強パーツは、
・フロント、リアストラットタワーバー
・ホンダ純正フロントパフォーマンスロッド
・サイドインナーブレース
で、特に効果が高く感じられたのはサイドインナーブレースです。
これを装着した後に交差点を曲がっただけで、思わず笑ってしまうほどのクイックなハンドリングになりました。

最初からこのレベルのハンドリングで販売していれば、このクルマは絶賛されていた事でしょう。
せっかくサスペンションとシャシーの潜在能力が高いのにもったいないことです。
きっとこのクルマの購買層は走りにこだわらないものと、ホンダは想定していたのでしょう。
こういう妥協はすべきではありません。
せっかく築きあげてきた「走りのホンダ」のイメージがぶち壊しになってしまいます。

総合評価

評価:★★★

さすがに前期型はもうオススメできませんが、後期型の1.7リッターのXSを購入して徹底的にボディ補強を施すというのはアリかもしれません。
このクルマは、補強すれば大化けします。
恐らくパーツ代も含めて50万円程度で、かなりの高レベルのクルマが購入できることになりましょう。
年間走行距離の多い方、広い荷室を必要とされている方にとっては、意外と賢明な選択肢かと思います。

エンジンフィーリングと実際の走行フィーリングは、下記動画をご覧ください。

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この記事を書いた人

釣り、クルマ、猫 が大好きなオッサンです。
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