マイカ振動板が奏でる芳醇な響き
マイルームで使用中のTechnics(テクニクス)SB-M500です。
Panasonicのアンプ SU-MA10 と接続してます。
今から20年前の1996年10月の販売ですので、もう立派なビンテージスピーカーですね。
しかしながらクルマと同じく、必ずしも最新のものが良いとは限りません。
昔のスピーカーは凄かった!
バブル前の空前のオーディオブームの頃から2000年以前くらいまでは、現在では考えられないほどの魅力的なオーディオ製品が続々と市場に投入されました。
この頃の日本のスピーカーは、世界でも他に類を見ないほどに特異な「振動板素材の開発競争」が過熱していたんです。
思いつくだけでも、チタン、ボロン、マイカ、カーボン、バイオセルロース、ダイヤモンド、液晶ポリマー、セラミック、ベリリウム、マグネシウム、アルミ合金、ケブラー、ダイニーマ、シリコンカーバイト、などなど…
これらを振動板の形に形成するのは相当の技術が必要であったハズです。
このように特定の分野を極限まで追求する姿勢は、古来からの日本人の職人気質で最大の強みであると思うのですが、この頃の技術ってロストテクノロジーになってしまったのでしょうか?
だとしたら非常に勿体無いことですよね。他の分野に活かせる技術もあるかもしれません。
実際に日産が採用しているDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)の技術はオーディオ業界が発祥ではと思います。
SB-M500の実力は?
このSB-M500も今では考えられないほどの凝った作りです。
一見トールボーイの2ウェイに見えるのですが、本体の下半分の部分に前後で対になったパッシブラジエター(ウーファー)が搭載されています。そうすることで互いに歪を打ち消しあう原理だそうです。
エンクロージャーもバラしてみたのですが非常に複雑な造りでした。これはコストが掛かってます。
このトゥイーターとスコーカーの振動板の素材がマイカなのですが、発売当時の頃の僕は「マイカ~?パッとしねーなー」と思っていました。
他社のボロン系とかダイヤモンド系に比べて華が無いような地味な印象を持っていて、全く試聴すらしていなかったんです。どうせ大したことないだろうと…
ところがどっこい、2年ほど前にリビングのテレビ用に下位機種のSB-M20を中古で購入したのですが、完全に認識を改めさせられました。
マイカ振動板、凄いです!
固くもなく、柔らかくもなく、耳に突き刺さるような刺激的な音は一切出さないのに、高音から低音まで解像度とスピード感を兼ね備え、空間に音像が浮き出すようなリアリティのある音場感も感じられます。
さらに音色にマイカ独特の艶があり、例えるなら熟成されたモルトウイスキーのような、思わず陶酔してしまうような芳醇な響きです。女性ボーカルとか弦楽器は本当に美しく感じられました。
コンデンサー交換で、さらに素晴らしい音に!
マイカの魅力にはまってしまった僕は、上位機種のSB-M500を自室用に中古で衝動買いしました。ペアで¥39,800だったかと。オークションだと2万円も出せば良品が購入できるのではと思います。(モノが有ればですが…)
買った当初は正直、SB-M20と比べると少し「眠い音」に感じられたのですが、ネットワークの電解コンデンサーを全てフィルムコンデンサーに交換し、内部配線も太い無酸素銅線に交換したところ、最高の音質になりました。
これはもう、ペアで¥398,000の音です。(大げさではなく、過去の試聴経験から言って)
さあ、皆さんも魅惑のマイカの世界に来てみませんか?
「よーし、SB-M500を買って改造してみよう!」と思った奇特な御仁がおられましたら、お気軽にご連絡ください。「SB-M500サービスマニュアル英語版」を進呈します。(エンクロージャーをバラす際には、これがないと大変苦労します)
コメント
コメント一覧 (4件)
こんにちは~
SB-M300のコンデンサー交換を考えていて辿り着きました。今一つの抜けの良さを
求めてネットワークをいじろうかと思っているところです。
M500もおそらく同じネットワークだと思うのですが、ミッドのローカットコンデンサー(100μF)もフィルムに交換されたのでしょうか? 予算的には、トゥイーターはdayton、
ミッドはparcかmuseの両極性でお茶を濁そうかなどと考えているところです。
↓ロシアのサイトで見つけたネットワーク回路図
http://forumimage.ru/uploads/20140227/139352873972256722.jpg
Masteruさん、はじめまして。
コメント頂きましてありがとうございます。
ご返信遅くなって申し訳ないです。
SB-M300もすんばらしいスピーカーですよね。
そうですねぇ…
だいぶ前に改造したので、ほとんど忘れてしまったんですが、電解コンデンサは全てフィルムコンデンサに交換したように記憶しています。
改造後はネットワークが巨大化してしまいまして(^^ゞ
ミッドレンジとトゥイーターのエンクロージャー内に入らなくなってしまいましたので、底面に移設しました。
かなり悪戦苦闘しましたが、SB-M500はノーマル状態では若干ヌルイ音だったのですが、交換後は見違えるようにハイスピードで高解像度かつ鮮烈な音になりました。
それでいて耳に刺さるような音は一切しませんので、苦労のかいがあったと思います。
SB-M300もきっと素晴らしい音になるのではないかと思います。
魔改造(笑)頑張って下さいね(^^)/
はじめまして。
こちらのブログを参考にさせていただき、最近SB-M500M2を買いました。
いつか改造できたらと思っているのですが、まだマニュアルをいただくことは可能でしょうか?
あきひとさん、はじめまして。
メールにて英語版サービスマニュアルを送信させていただいてます。
改造はかなりの手間ですが、きっと苦労に見合うだけの成果が得られると思います。
思い切ってチャレンジしてみてくださいね。