【中古車試乗】ルノー トゥインゴ2試乗 お買い得車なのか?中古相場が激安の要因を探る

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ルノー トゥインゴ2 試乗記

現在の我が家の自家用車、ルノーの2代目トゥインゴです。
今からちょうど1年前の2015年6月に中古で購入しました。

日本国内では全く売れずに、街中で走っているのを殆ど見かけることも無いマイナーモデルです。
なぜ売れなかったのかも所有してみてはっきりと分かりました。

前車のスイフトが走行11万キロ越えでガタが目立つようになってきて、中古車検索サイトをなんとなく「いいクルマないかなー」と眺めていたのですが、

・走行距離2万キロ以下
・初年度登録から5年以内
・本体価格80万円以下
・排気量1200cc以上

というかなり無茶な条件にヒットするクルマは、ほとんどが現行マーチだったように思います。
「さすがにマーチはなぁ…3気筒って…」
と諦めかけていた頃に、キラ星のごとく輝くオレンジメタリックのトゥインゴを見つけたのです。
「カッコイイ! しかもオシャレ!!」

そのフォルムからはフランスのエスプリが濃厚に感じられ、どの角度から見てもポップで美しく感じられました。
一目惚れでした。

しかも、

・走行距離1万4千キロ
・登録から4年
・車検1年半残
・修復歴無し、ワンオーナー
・本体価格68万円

と破格の条件です。

ネット上の試乗記を見てシングルクラッチのAMTに若干の不安もありましたが、さっそくスイフトを下取りに入れて諸経費込みの総額80万円で購入したのでした。

外観デザイン

評価:★★★★★

デザインに関しては主観的な好みの領域ですが、僕的には小型車として完璧なデザイン
と思います。

限られた寸法のなかで、

・極限まで切り詰めたフロント、リアのオーバーハング
・狭い車幅でも貧相に見えない、タイヤハウス上のボリューム感のあるフェンダーライン
・腰高に見えない絶妙な車高

これらが総合的に高度にバランスしているように感じます。
どの角度から見ても美しく、意味のない無駄なプレスラインなどもありません。
シンプルでありながら存在感のある、完成度の高いデザインではないでしょうか。

斜め前方から見るとスポーティーですね。

ルノーのバッジがいいアクセントになってます。

この角度からも美しい!

リアもポップでいい感じです。

車高が高く見えないギリギリのところでうまくバランスさせてます。

極太マフラーは純正品なんです。

内装

評価:★★★

内装デザイン自体はポップでオシャレに感じますが、インパネの樹脂の質感、シボのデザインにより、どうしてもプラスチッキーに見えてしまいます。
端的に言うと高級感は有りません。
車格から言ってもそれでいいとは思いますが、もう少し質感高く見せることも可能だったのではないでしょうか。

シートの掛け心地は最高です。
腰がありながら全体でふんわりと包んでくれるような感触は「さすがフランス車」と思います。
さらにリアシートは造りの良さもさることながら前後に大きくスライド可能で、一番後ろまで下げたときはコンパクトな車体からは想像できないほどの広大な膝まわりのスペースが確保できます。
身長175cmの僕が膝が組めるほどです。

タコメーター、スピードメーターが分離しているのは機能的にはマイナスですね。
デザイン的にはおしゃれなのですが。

空調周りは使いやすいのですが、いまどきCDプレーヤーが斜めに鎮座してましてナビの取り付けが出来ません。なんとかならなかったのでしょうか。

フロント、リア共に頭上空間は充分な余裕があります。
また、今どきのクルマにしてはベルトラインが低く開放感がありますね。

フロントシートは最高です。座椅子にして販売してほしいくらいです。

リアシートもフロント同様、非常にしっかりとした質感の高い造りです。

リアの足元も広々してます。

トランクルームも、この全長にしては広いほうです。

走りの評価 (エンジンとミッション)

評価:★★★

エンジン自体は何の変哲もない 1148cc SOHC16バルブですが、低、中速トルクは太く、排気量以上の粘りが感じられます。
また、3千回転から5千回転あたりではグイっとくる回転の伸びが感じられ、爽快感があります。
いちおう「ドラマのある」エンジンです。
5千回転を過ぎると急速に頭打ち感があり、トップエンドにもう一息の伸びがあれば申し分ないところなのですが。

動力性能的には、加速感も軽のターボモデル程はありますので日本国内であれば充分かと思います。

問題はシングルクラッチの自動変速5速AMTです。
マニュアル車の運転経験がある方でしたらコツさえつかめばスムースに運転できるのですが、オートマしか運転したことのない方にはかなり敷居の高いミッションです。
終始ギクシャクしてしまうことでしょう。

このクルマが日本で売れなかったのも、ずばりこの点が原因と思います。

マニュアルシフトのコツは、
「トン」でシフトアップ、「パッ」でアクセルオフとして、
「トン・パッ、トン・パッ」のリズムで変速を行えば、一切ギクシャクしません。

僕はこのミッションは大好きです。
ベースがマニュアルですのでギアとギアが噛み合ったダイレクト感があり、シフトダウン時には自動で回転合わせのブリッピング(空吹かし)をしてくれるので、機械任せで簡単にヒール&トゥが出来てしまいます。
マニュアルシフトを駆使してワインディングロードを走ると凄く楽しいです。

走りの評価 (足回りとボディ)

評価:★★★★

サスペンションはフロント・ストラット、リア・トーションビームとありきたりのものですが、国産の同クラスとはまるでフィーリングが異なります。

端的に言うと、全てにおいてトゥインゴが圧倒的に勝っています。
非常にサスペンションストロークが大きく感じられ、乗り心地は固めでゴツゴツ感はあるものの全くとげは無く、どこかふんわりとした優しさがあります。

ワインディングでハイペース走行してもフロントサスはべったりと路面に張り付くかのようなフィーリングで、だらしなくアンダーステアが出る兆しさえ容易なことでは見出せません。
その際のリアサスの安定感も大したものです。
タックインも無理やり誘発させようと思えば出来なくもないですが、滑り出しは穏やかでコントローラブルでした。

これほどのリアの安定感がありながら、大きな段差で車体が左右にゆすられるようなトーションビームの悪癖もあまり感じられないところが凄いと思います。

ボディ剛性も全く補強の必要性を感じないほどの高いものです。

足回り、ボディが相乗してクルマ全体での高い一体感が感じられます。

総合評価

評価:★★★★

近くにルノーディーラーが無い方にはお勧めは致しません。
昔と比べれば信頼性は高くはなっていますが、国産車と比較するとマイナートラブルは多いように思いますので。
また、クルマを単なる移動手段としか考えていない方はこのクルマには手を出さない方が賢明です。

逆に運転そのものが好きな方、マニュアル車の運転経験がある方には強くお勧めいたします。周りで殆ど見かけず、個性的で、運転も楽しいクルマですので。
中古車の相場もかなりお値打ちです。
興味がおありのかたは中古車検索サイトで見てみてください。

蛇足ですが、このクルマの初期状態ではプラグは標準タイプの電極が太いものが付いています。
ぜひイリジウムプラグに交換しましょう。
参考までに型番はデンソーVFXEH20です。

最後にルノー トゥインゴ2 試乗動画です。

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この記事を書いた人

釣り、クルマ、猫 が大好きなオッサンです。
皆様のお役に立つ情報をお届けしてまいります。
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コメント

コメント一覧 (10件)

  • 私はルノーは乗った事はありませんが、同じフランス車では、シトロエンZXに乗っていました。シトロエンと言えばハイドロサスペンションのイメージがあるのですが、私のはハイドロではありません。ハイドロで無くても乗り心地が良く、タイトコーナーでも曲がれる粘り強い足でした。4速ATですが、国産のATと比べるとシフトショックが大きく、減速時に勝手にシフトダウンしたりして違和感がありました。同世代のプジョー306とプラットフォームを共有していました。

    • シトロエンZXとは!
      やはり あ さんは相当の好き者ですよ!(笑)

      僕はZXは運転したことが無いのですが、車種は忘れましたが、ハイドロのシトロエンの後席に乗せてもらったことはあります。
      異次元の乗り心地でしたね。
      子供ながらに衝撃を受けました。

      あの頃のフランス車って、ふんわりしていながらもコシがある乗り心地が売りでしたよね。
      ウチのトゥインゴも、あの頃のフランス車のテイストが感じられるように思います。

  • トゥインゴと言えば、初代の方がインパクトが強いのですが…初代のデザインは、初代ホンダ・トゥデイ(前期型)を手本にしたと言われています。5速MT車とオートクラッチの5速MTがありましたね。2代目は普通のデザインになり、(国産車と比べたら個性的ですが)余りパッとはしませんでしたね…同じルノーのルーテシアの影に隠れたような感じがします。現行の3代目はsmartとプラットフォームを共有しており、駆動方式もFF→RRに変更されています。

  • そうなんですよね。
    トゥデイにかなり似ていました。
    当時ルノールーテシアもダイハツシャレードにそっくりと話題になりましたね。

    あの頃の国産車は海外のメーカーにも影響を与えるほどに、魂のこもったレベルの高いものが多かったと思います。
    EG型シビックも、後のハッチバック車のデザインに革命的な影響を及ぼしたのではないでしょうか?

    3代目トゥインゴは先日試乗してまいりました。
    近日中に記事にさせていただきますが、素晴らしく楽しいクルマでした。
    プチ911カレラと言ってもいいほどです。
    出来のいい国産コンパクト車に対しても、一歩リードされてしまったと思わせられるほどの出来栄えでしたよ。
    機会がありましたら、あ さんも是非一度試乗してみてください。
    きっと購入したくなります。(笑)

  • 初めまして。大した内容でも無いのに長文になります。
    アタマがどうにも悪くって・・・気が向いたら読んでください。
    (御返事も、もし気が向かれたら、で結構です)

    twingo2にプラットフォームを譲ったルーテシア2のフェーズ2に乗ってました。
    ちょっとしたきっかけで、貯金も無いのに古家を買うハメになって、
    引っ越しでも活躍して貰わなければならない、
    そのタイミングで、定番のATの突然死。
    トランポ頼んで修理に出して帰ってくるのを待つ、そんな現金も時間も無いしで、
    彼女を見捨てて格安の古キュ×ブに乗り換えたのですが、見事なハズレ。
    私は見捨てた彼女に呪われたのかな。

    本気を出せばちゃんとしたクルマを作れる日産は、
    ファミリーカーで、どうしてあんなに手を抜くんでしょうか。
    FFだというのに、どこにすっとんで行くか判らない低劣な直進性。
    曲がろうとすればヨタヨタと。えっちらおっちらふらふらと、ってな表現が相応しい。
    一般道でルーテシア2と同じ感覚で走って速度計を見ると大体15km/h遅い。
    法定速度プラスお約束の「メーター誤差」km/hで走るだけでちょっとコワイ。
    それ位、信頼感の無い走りっぷりということです。
    ルーテシア2はやっぱり良いクルマだったんだと判る、そんな日々。

    で、「一生の間に何台の車と過ごせるか」みたいなことを考えちゃう人達の、
    私はどうやら末席の末席に在るらしく、
    我慢ならなかったので車検をたっぷり残してシトロエンの初代C3のフェーズ2、
    やっぱり「ど中古車」に乗り換えた訳です。お金もないのに。これがもう(略

    これまで好き勝手にやってきて、
    そこにこそ存在意義を感じてるんじゃないかってメイクスが、
    アウディ・プジョー連合に吸収されて、アレコレ口出しされるようになって、
    「その鬱憤やらシワヨセがここに集まってるんだろうな、トホホ」って感じの。

    シトロエンの初代C3は付き合ってみれば見るほど、
    「良いクルマになれた筈」という片鱗がそこかしこに見えて。
    だから私はシトロエンというメイクスを金輪際信用しません。
    それだけの仕打ちを彼らは初代C3とそのオーナーになった人に振舞った。
    許されることじゃない。
    ・・・とまぁ私は思ったので。

    ってな訳で、二台ハズレを引いて家のローンもあるし、次も低予算。
    twingo2を考えている訳です。
    ルーテシア2よ、キミは灰皿の位置以外、何の不満も無かった。
    高速での追い越し加速がそれまで乗ってたW124のE320に較べるべくもないからって、
    排気量にして丁度半分だし。別にそんな頑張って高速道路でブイブイ言わせたってね。
    他の事は全部対等に出来たもんね。

    本当に済まなかった。どうか許しておくれ。
    次に迎えるtwingo2がアタリでありますように。ナムナム。
     

    • はじめまして。
      コメント頂きましてありがとうございます。

      ルーテシア2、いいクルマでしたね。
      デザインもフランス車らしいエスプリが感じられましたし、シャシーの出来がいいと評判でした。

      日産はスカイラインとかフェアレディとかになると素晴らしい出来栄えだと思うのですが、特に最近は酷いもんですが大衆車クラスの手の抜きようが、もうユーザーをバカにしてるレベルですね。
      それでもノートのようなクルマが登録車No.1になってしまうんですから、「大衆車に走りの質感は必要ない」との経営判断なのでしょう。
      同じグループのルノーはAセグメント車でも素晴らしい走行性能なのになぜなんでしょうね??
      恐らく欧州では走りのクオリティが低いクルマはユーザーにそっぽを向かれてしまうからなのでしょう。

      このような有様で、本格的なEV時代となった時に日本の自動車産業は生き残っていけるのでしょうか?
      部品のモジュール化が進んで、携帯電話のように新興国に駆逐されてしまうのではないかと強い危惧を感じています。
      ある意味、国家の存亡にも関わってくると思うのですが…
      日本においても、本当にいいクルマが正当に評価されるようになってもらいたいものです。

      twingo2はノーマルグレードを購入されるのでしょうか?
      個人的にはGTがオススメなのですが…
      ノーマルグレードは、シングルクラッチAMTの変速スピードがもう少し早ければと思わされます。

  • はじめまして! 今年の5月に赤QS乗りになりました。20年前に初代に乗ってたことがあります。当時個性なくなった感じの印象だったトウインゴ2。今見るとシャープでコンパクトで気に入ってます。はなから加速やエアコンなど期待してなかったのですが確実に進歩していますね。一方でシートや乗り味、高速巡行の安定性など初代の良さは確実に感じることができます。未だに町で2とすれ違いませんが大事に乗りたいと思います。

    • kawagoe qsさん、はじめまして。
      コメント頂きましてありがとうございます。
      ご返信遅くなって、誠に申し訳ありませんm(__)m

      kawagoe qsさんはHNから推察するに…
      川越にお住いのトゥインゴ乗りさんですか?
      僕も髪の毛がフサフサだった頃、川越に住んでいたことがあるんですよ~(^^;)
      最寄りの駅は新河岸でした。

      トゥインゴは初代も2代目も、特にシートの出来が素晴らしく感じられます。
      腰かけているだけでうっとりするような掛け心地は秀逸だと思います。
      この時代のフランス車の美点ですね。
      これほどの希少車を乗り続けていくのは大変ですが、頑張って下さいね!

  • はじめまして
    良いコンパクトカーは無いものかと調べていましたら先日こちらのページを発見しトゥインゴ2が第一候補になりました。
    近場で2010年式クイックシフト5で6万キロの物を見つけ本日見に行ってきました。
    去年まで走っていたようでかなり程度が良く、乗りだし40万というのもあり購入する気マンマンなのですが、クイックシフト5の耐久性が心配です。今まで故障等ありましたでしょうか?
    当たり外れはあるとは思いますが参考までに教えて頂けるとありがたいです。

    • ygsnさん、はじめまして。
      ご返信遅くなりまして申し訳ございません。

      訳あって、トゥインゴ2はもう手放してしまいました…
      保有していた間に3万キロほど走ったと思いますが、目立ったトラブルは一切ありませんでした。

      ネガティブに感じられたポイントとしては、ガソリンスタンドでオイル交換しようとしても、専用工具が必要との旨で断られてしまい、結局ディーラーでの交換になってしまった点ぐらいです。
      (恐らく、輸入車を扱っている中古車販売店では整備して下さるかとは思いますが)
      あとは、高速道路で追い越しを掛ける際に、シフトチェンジのタイムラグが気になってしまう点などでしょうか。
      車検費用は国産車と変わらない金額だったと思います。

      乗り心地やシートの出来などは国産車に無い魅力が感じられましたが、安楽な国産車に慣れ切った方にとっては苦痛に感じられる点も多いかもしれませんねぇ(笑)

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